1億5000万を! 「マチのために使って!」 SDGsに参加して

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SDGs de 地域創生

11月30日、HubGujoを会場にして開かれた「SDGs de 地方創生」というイベントに参加しました。

SDGs…持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されている、2016年から2030年までの国際目標。

一方、本来は全く出どころが違う「地方創生」への取り組み。

その2つをつなげて意識し、考え、行動するための「カードゲーム」!?

その活動趣旨などの詳細はこちら「SDGsと地方創生」にお任せするとして、
このイベントに参加しての個人的な感想を中心に書いていきます。


隣の高山市からファシリテーターとしてお越し下さった荒川さん

地域通貨のことも

ゲームが始まる前に、主催者の人たちから開催主旨の説明が1時間ほどありました。

その中では「地域通貨をぜひ郡上」にというお話となったので、質問コーナーで私も手を上げてこんな話をして意見をお聞きしました。

「地域通貨についてずっと以前(20年以上前ですが、第一期黎明期のような時期に)ある勉強会に参加したら、そもそも銀行や管理通貨制度や利子というものがなぜ、どのようにして誕生したのか、というお話を聞きました。
そこにはとても「思惑」のある人達がいたということです。
つまり、それによって支配する構造が今もあるので、
自分たちの地域の幸せのために「地域通貨をがんばろう」というと、どこかでその圧力が働いてくることになるかも知れないですが、それについてはどう思いますか?」

「地方経済は、資本主義貨幣経済の中では衰退する。だからこそ地域通貨を」とまで仰っていたので、こんないやらしい質問(自分でも少々嫌になりますが)をしました。

良心的に一生懸命にやっていこうとしている人にこそ、そのような「思惑」や「構図」を意識して頂きたかったですし、その場に参加した数十名の人にも、ちょっと頭の片隅に残してもらえたらという気持ちも大きかったのでそんな質問をしました。

主催者側の3名の方がお答えくださりました。
「潰されないように、あちこちで自然発生的に力強くやれば、何とかなるのではないか」というような話にまとまるかと思いますが、本当にそれしかないと思っています。
「とても、そう期待しています」と申し上げました。

 中央銀行や管理通貨制度の成り立ちについては、「オリーブの木」もと金融マン黒川氏の動画がわかりやすいのでご紹介しておきます。
 また、過去記事にも関連したことを書きましたのでリンクを貼っておきます。ご覧いただけたらうれしいです。
「武器商人ブラックゴーストと自然農法」 「自由からの逃走」と「新しいつながり」

   
以前、地域通貨の学習会で参考にしていました。

 

カードゲーム開始

3名ずつ8チームに分かれてテーブルにつきました。

8チームのうち、2チームは行政(役所)の立場で、残り6チームは民間の一般市民としてそれぞれに課題を与えられて遂行していく設定です。

それぞれのテーブルに何種類かのカードが配られました。
カードの内容は、各テーブルによって違うようです。

・お金のカード…「1000万Gs」

・チームのミッションのカード…うちのチームは「夢よもう一度:駅前商店街の地主としてお金を稼いで、手持ち資金を1億5000万にする」(最初に配給された額の15倍に増やす)

・アクション、プロジェクトのカード…儲かるもの儲からないもの(儲かっても環境を破壊する懸念あり)、地域のために貢献するもの(儲からないけど人口が増えたりする)、実行するには資金や人材や「まちの現状」などの条件設定あり。

・資源のカード…人材(自治体の首長や議員、医師、技術者など)、土地、企業や施設など

そして会場の前方のホワイトボードには、このマチの「人口・経済・環境・暮らし」の現状を表すものが設置されました。
各4項目の現状であるスタート時はマグネットの数が「5」で、これを12年後には「8」にしなければ、、、ミッション失敗。マチは消滅の危険となる。

つまりこのゲームに参加した私たちに与えられたミッションは2つ
1、各チームに与えられたミッションを達成すること。私達のチームは「資金を1億5000万Gsにする」こと。
2、マチ全体に与えられたミッションとして、人口・経済・環境・暮らしの4項目のポイントを今の5から8にすること。

12分間のアクションタイムを4回行ないますが、その各ターム終了時ごとに人口は「1」減少します。(ここが最終的には一番重要なポイントになった)

これは、12年間を4分割して3年間毎に区切ったと考え、対策が成功しなければ、そのようにして人口はどんどん減るのだと言うマチの状況を反映しています。

最初の12分間

ゲーム開始

私はオロオロでした。
あの簡単な説明では、何が何のことやらぜんぜんわからん・・・
(ファシリテーターの方は「細かいことを説明するよりも、先ずはやってみましょう!」とのことでした)

「このチームの課題はとにかく稼ぐこと、というわけだね。じゃあこのカードのプロジェクトをやればいいね」

「手持ちのこのプロジェクトを行なうためには資金が足りないから、要らないプロジェクトは他のチームの儲かるものと交換してくる」

などと言いながら、同じチームの二人はプロジェクトのカードを持って飛び出していきました。
他のチームも同様に活発に動き回っています。
「オイテケボリ感」を味わっていました・・・・
皆さんも、私同様にこのゲームは初めてのようだったけど、こういうものに慣れているのかな?
などと思いながら、たくさん配られたカードを見ながら留守番をしたり、周りのテーブルの様子を見に行ったり、ウロウロ・・

時間終了。 人口が「1」減少。チームの資本は増えた。

2つ目の12分間、3つ目の12分間

いくつかの儲かるプロジェクトを実行して、2つ目から3つ目のタームにかけて、つまりゲームの半分くらいの時点で、資本が1億7000万ほど集まり、チームとしての目標を達成しました。

チームのミッションであったその「1億5000万」のお金はキープしながら、
しばらくの間はあまり取り組むプロジェクトがなく、
余剰となる2000万や資源のカードを他チームに声掛けしながら、
ある意味「漫然と」残り時間をゲームに参加していました・・・

言い訳ではないけど、それ以上に何をすればいいか、わからなかった。

少し手持ち無沙汰にゲームの進行を見ていました・・・

ホワイトボードのマチの指標は、「暮らし」のポイントはかなり増えて目標の8を越えました。
「経済」「環境」も達成はできそうです。
しかし「人口」はなかなか目標の8に届きません。

第3タームが終了。

人口がまた「1」減りました。

ホワイトボードにはマチの状況を示す4色のマグネット

第4ターム 最後の12分間・・・マチの未来が決まる

最終タームがスタート。
ラスト12分間。

記憶は曖昧ですが、第4タームの途中の時点で、8チームのうち行政以外のほとんどのチームは、それぞれの与えられた目標を達成。
先ずは一安心、のはずが・・・そうではないと、すぐに皆が共有することとなりました。

ホワイトボードの「人口」がどうしても増えない。

うちのチームはもうプロジェクトのカードが無く、お金はミッションとしての1億5000万Gsプラス少々。
つまり、マチのために自分たちのできることは、このお金1億5000万を「人口を増やすプロジェクト」を持っているチームに提供することだけ。

それって、与えられたミッションを無視することで、ルール違反?
そもそも「儲からないことはしないように」とカードに書いてある・・・

でも、

「この1億5000万、やっちゃおう!」

「おぉ、そうだな。マチがなくなるんじゃ、持っていてもしょうがない」

チームの3人が、周囲のチームに呼びかける

「1億5000万あります! 誰か、人口増やすプロジェクト持っていないですか?」

「この1億5000万提供するから、人口を増やすプロジェクトやって下さい!」

あった!

「あっ、あります! そのお金下さい!! 」 隣のチームの女性が大声で答えながら手を挙げました。

「でもあと 1億足りない・・・」 その女性が言うと、

「役所行ってもらって来て! 俺はほかをあたる!」 何人も走り回る。

 

「もらえた!!  お金がそろった!!!」

 

人口が増えるかも知れないプロジェクトのカードと、必要な資金や資源のカードを持ってその女性はは交換所の列に並びました。

そこで時間はタイムリミットとなり、もうできることはその結果を見守ることだけ。

マチのみんなの視線がその人に注がれていました。

カード交換の結果を・・・マチの将来を・・・

 

マチの将来の命運がかかったプロジェクトのゆくえを、マチのみんなが見守っていました。

日本の過疎の現状 ポイント・オブ・ノーリターン

以前「過疎地はいま? ポイント・オブ・ノーリターン」という記事を書きました。

昭和30年代に始まった経済成長で人口は都市に集中して「過密化」し、地方は「過疎化」しました。
結果として、都市では公害問題などが起き、地方では第一次産業が衰退して国としての食糧自給率が急激に下降しました。

実は私は40年近く前に、その食糧問題や過疎問題をテーマにして全国各地を訪ね、大学の卒業論文を書きました。

当時、過疎地域の面積は国土の半分以上で、現状はさらに悪化しています。
「限界集落」などという言葉も登場しました。

この日のイベントの前の趣旨説明でも、郡上市や全国の地方市町村の厳しい現状と、深刻な未来予想が説明されていました。
日本の少子高齢化と人口減少の状況は、世界でも最悪なのです。

なんとかなるのか?

あるいはその地点「ポイント・オブ・ノーリターン」はすでに通り過ぎてしまっているのか?

 

ゲームの結果とマチの将来は・・・そして振り返り

カード交換が済みました。

その人の持っていったプロジェクトの結果は

 

「暮らし」のポイントをアップさせましたが、「人口」増にはつながりませんでした。

 

ゲーム終了

 

このマチは、将来消滅する危険性がとても大きいと診断が下りました。

ゲームのあとに振り返りの時間があり、各チームから一人ずつ感想が述べられました。

「暮らし、環境、経済のプロジェクトはやりやすいけど、人口を増やすプロジェクトは難しかった。これはこの郡上の現実と同じ」

「ゲームが終わっているのに、手元にお金が残っています。なんかとってももやもやした嫌な気持ちです」

「ゲームの前半で自分たちの目標のお金を稼ぐということは達成して、そのお金をキープしながらちょっとのんびりゲームを楽しんでいた。
だけどマチの将来はこの結果。もっと早くこのお金を回せば良かった」

「前半では自分のチームの目標達成しか頭になくて、周囲の状況やマチ全体のことは見えていなかった。もしもっと早く見えたらもっと結果が良かったはず。
だから、そういう全体が見渡せるような俯瞰できる人が必要だと感じた。
これは、実際のマチづくりでもとても大切なことだろう」

「今日のこの席に中学生や高校生といった若い人が多く参加してことにとても希望を感じる。
市内の学校でこのゲームを開催できないか!?」

などの感想が共有されました。

私の感想は

あの最後の盛り上がりは、驚きでした。
駅前の衰退した商店街の地主で、商店街の再生のためにとにかく稼ぐ、という設定でした。

が、、、その稼いだお金を全部放り出しました。
それは同じチームの3人の、そのままの気持ちの現われでした。

そして、同様の思いが会場に溢れて、共感し合っていました。

これが、この「ゲーム」の力なのか、会場の参加者の思いの力なのかは、たった一度の参加ではわかりません。

おそらく、そのどちらもあるのでしょう。

それにしても、すごく熱い経験でした。

 

この異様とも言える経験に可能性を感じました。

各地でこんな経験をする人がどんどん増えて、一定以上増えていったら・・・

そうです「100匹のサル」です。 関連記事「自然農法の広がりと形の場について」

そうすれば、「地域通貨」も定着できる、マチも素敵な未来を創造できる。

そう思えた体験でした。

ご準備下さった関係者の皆さん、ファシリテーターの荒川さん、ありがとうございました。
会場の参加者の皆さんにも、素敵な場を創造し共有しあえたこと、感謝申し上げます。

長い記事となりました。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

アメブロにも関連記事を書きました(もっと短いです)
「マチは消滅するのか? SDGsで」

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