B・Springsteen のメッセージ
今、とっても久しぶりにCDを聞いています。
最近は音楽は作業をしながらスマホで聞くことが多かったので、ほんとうに久しぶりのCDです。
因みに、スマホはポケットに入れるのがとても嫌なので・・・違和感があってダメで、
例えば一昨日(10月24日)に落花生を掘っていた時は、ペール(バケツ代わりの大きな缶)に入れて音を反響させて聞いていました。
そのときに聞いていたのは、ジョージ・ハリスンの「All Things Must Pass」とブルース・スプリングスティーンの「Nebraska」。
泥だらけの手でスマホ画面を触れず、かなり適当にAmazonMusicの画面で出たものを選んで再生させたのですが、、
スマホもこのアプリも使い方がまだまだわからず(じょうじゃく⁉)、この時はたまたまジョージ・ハリスンが出てきたのでコレにした次第でした。
箱入り3枚組LPの「All Things Must Pass」は高校時代に欲しくても手が出なかったのが、ずっと後日に中古で売られているのを横浜駅の店のワゴンセールで発見して入手。
以来お気に入りでよく聞いていましたが、ここ数年は仕舞ったままになっていました。(先程、引っ張り出して記念撮影しました)
この作業中に3枚組の再生だったら、かなりの時間ほったらかしでOKだな、というとってもズボラな理由でコレを選んだわけです。(ジョージごめん)
そして3枚分のジョージの音楽が終わっても作業は終わらず、さて、、、とスマホを見ると以前クリックしたブルース・スプリングスティーンの「Neblaska」が出ていたので、
これを聞きながら落花生掘りの作業を再開しました。
・・・
なんか・・・
涙が出てきました。
ブルース・スプリングスティーンのことを「Boss」と、ファンたちは呼んでいます。
(ここで考え直し、アルファベット表記をカタカナ表記にしていきます。その方がいいですね)
なんでボスなのか?
由来は知らないのですが、彼のバンド「E・ストリートバンド」の中での彼の姿は、ほんとうにボスです。
尊敬できる、皆が信頼できる、愛すべき・・・ボスです。
コンサートの中でスタッフを紹介するときに、本人が照れるくらいの持ち上げ方をしているように見えます。
あれは、うれしいだろうな!
だから、気持ちよく彼についていくのだろうな、と強く感じました。
2000年に行われたニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでのコンサートのビデオ(私が持っていたのはVHSビデオでした)を見ての感想です。
(あんなオヤブンに憧れます。自身の反省も込めて)
アルバム「ネブラスカ」
このレコードは、それまでの彼のロックの世界からとても遠くて驚いたのを覚えています。
今アマゾンのレビューを見たらこんな投稿があり、あらためてやっぱりそうだったんだと思いました。
史上稀に見る闘いに挑んだ「アナザー・サイド・オブ・スプリングスティーン」
全世界のロックファンをあっと驚かせた6th作。
全編、ローファイ&アンプラグド(←若干プラグインした曲もありはしますが、ここはあえて)なプロダクションの、徹底したフォーク作品となっていたからです。
『BORN TO RUN』以降、着実に輝かしいロックスターとしての道を歩んできたボスが、あえての一大冒険作リリースということで、当時は大いに賛否両論巻き起こしたものでした。
しかも、その内容というのが、究極的なまでにダーク&ヘヴィなものであり、とてもじゃないが商業的成功を期待できそうにもない代物で、よくもまぁこんなのを発表できたなぁというのが、今聴いても最初に浮かぶ率直な感想です。
しかしながら、そこはボスのボスたる所以といったところなのでしょう。
闘う音楽としての「ロック」を、ここでのスプリングスティーンはものの見事に体現して見せたと言っていいと、僕は思っています。
そう、そういう意味で、本作は史上屈指の闘いを挑んでいるし、それを全うしたボスはやはり真正のロッカーとして賞賛されるべきだと感じています。
・・・誰もが期待する予定調和に流されることなく、商業主義にも屈することなく、ひたすらに我が道を追求していく。
・・・アーティストとして、ロッカーとして。
そしてそれが心意気や自己満足だけで終わるのではなく、多くの人々の心をがっちりと鷲掴みにするしっかりとした楽曲群によって構成されていると。
・・・なかなか、容易に出来る事ではありません。
本作の存在が、彼自身にとっては勿論、音楽シーン全体に及ぼした影響というものには、恐らく我々の想像以上に大きいものがあるのではないでしょうか。
ブルース・スプリングスティーンの6作目(1982年)。自宅の4トラックMTRを使いギター弾き語りで録音したデモテープをミキシング後、そのままマスターに使ったアコースティック作品。犯罪者や落伍者、孤独な人々等の物語を淡々と歌った暗い作品は、バンド体制でドカンと盛り上げる次作「ボーン・イン・ザ・USA」(1984年)とは対照的・・・
長い引用で恐縮です。
落花生を掘りながら、涙が滲んだ理由が少しは伝わったでしょうか?
実は私はハーモニカを持っています。
長さが10cmくらいのブルースハープとかテンホール(穴が10あるから)と呼ばれるものです。
この「ネブラスカ」の中の数曲(特に「マンションオンザヒル」)と、
ボスに影響を与えたと言われるボブ・ディラン(特に二枚組「ブロンド・オン・ブロンド」(これは世界初の二枚組レコードだそうです)の第4面の「ローランドの悲しい目の乙女」(だからこれは世界初のSIDE-Dですね)のハーモニカ部分をコピーしたかったから買ったのでした。

10ホールハーモニカ
落花生を掘りながらハーモニカは吹けないので、口笛(私の場合は歯笛とも言われる、口を尖らせないで吹くほうですが)を吹いていて、こみ上げてきたのでした。
「ゴースト・オブ・トム・ジョード」というボスのアルバムがあります。
(アイキャッチ画像のCDの一番右側)
たくさんある彼のアルバムの中でこれが「ネブラスカ」にとても似た作りとなっていて、一時はコレばっかり聞いていました。
「トム・ジョード」と言うのは、スタインベックの小説「怒りの葡萄」の主人公の名前で、虐げられた貧農の代名詞となった人物トム・ジョードの「亡霊」という意味のタイトルとなります。
収録されている曲も、そんな世界を歌っています。
ボスの話をもう少し続けます。
「デビルズ・アンド・ダスト」という曲はアメリカが湾岸戦争を始めたことをきっかけにに書かれたそうです。
そして当時You Tubeで、どこかの小さな会場で若者を前に、
「お前らもぼやぼやしてたら、こんな風に戦場に引っ張り出されてしまうんだぞ」
と少し厳しく忠告してからこの曲を歌う動画がアップされているのを見つけました。
あれから何回か探しましたが、その動画は削除されて無くなっているようです。
下の動画はこの歌のメッセージを汲んで、戦争の悲惨さを訴えるために作られたものだと思います。
今日、ボスのことを書こうと思ったのは彼のCD「レッキング・ボール」を聞いていたからでした。
このアルバムの中の「ジャック・オブ・オール・トレイズ」の解説にこんなことが書かれています。
「Jack of all tarades というのは通常、その後に and master of none がくっついて「何でもできるが、一つとして秀でたものがない者」と蔑視をこめて使われることが多い。しかしこの歌では、背に腹は変えられない。失業して収入がない、何でもしなければならない。それは西部開拓時代のアメリカの伝統に戻ることでもある。」
日本の昔の百姓と一緒だ!
歌詞は、「俺は何でも屋、雨樋の掃除もするし、ハリケーンの後の片付けも請け負うよ」というようなことがずっと並べられ、そして
「これからは世界が変わる気がする
みんなが互いに支え合うようになるかも知れない
イエスがそうしなさいと言ったように
・・・愛しい人よ、大丈夫、なんとかやっていける
干魃に耐えたのだから、洪水にだって耐えられる
・・・あるものを使うんだ
古いものを新しくするんだ・・・」
この曲を聞いたから、この記事を書こうと思ったのでした。
希望と夢の大地へ
最後に、
私がボスの曲の中で一番好きなのは「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス」です。
どうぞ!!
「さぁ行こう、希望と夢の大地へ
この汽車は
聖者と罪人を乗せている
敗者と勝者を乗せている
娼婦と賭博師を乗せている
失意の底にいる人たちを乗せている
いいかい、この汽車は
深く傷ついた人たちを乗せている
盗人と死んでしまった優しい魂を乗せている
愚者と王様を乗せている
・・・
ご乗車する方はお急ぎ下さい
この汽車は夢が叶えられる
信仰が報われる
・・・自由の鐘が鳴る音が聞こえないかい」
私はボスが大好きです!!
(それにしても、最近“涙腺”がユルくなったなぁ・・・)