「田舎暮らし」のススメ

子育て

「田舎」の魅力

インターネットの普及は山間地や離島にも及んでいる。
だから、ネットを利用しながら「田舎暮らし」をする、という選択肢もかなり現実的な時代となった。
田舎暮らしの魅力は、月並みな表現だが、
川や森、海、豊かな自然の中で
畑を借りて、農作業をしながら
朝日を拝み、月や星を愛でる生活
きれいな水や空気・・・

私自身、いくつかの地域で「田舎暮らし」を経験してきたので、
ご興味ある人に、その魅力と問題点について書いていきたい。

中山間地の場合

私は現在、冬には積雪もかなりある地域で農業を営んでいる。
この様な地域での一般的な状況として
空き家はかなりある
農地を借りることができる
ことは全国的に言えるようだ。

もちろん移住したい土地に、足しげく通って、十分な下調べを行った上で、という前提があるが、
親しくなった人や、地域の不動産屋で空き家情報を仕入れ、しばらく借りて住んでみて、気に入ったら購入という手もあるだろう。
当然、物件にもよるが数百万円で土地付きの家が入手できることだろう。
ただし、多くのケースで、かなりの手直し(リフォーム)が必要なことは覚悟した方がいい。
例えば、床が腐っている、雨漏りする、すきま風ビュービュー(寒い!)、ポットン便所・・・などなど、購入費用以上に修繕費がかさむことも有りうる。

その家が昔ながらの家(古民家)だったら、庭に数坪くらいの小さな畑があるだろう。
そこで家庭菜園を楽しむのもいいが、もっと農業にチャレンジしたいと思う人には、おそらく「どうぞどうぞ」と田んぼや畑が貸してもらえるはずだ。
もちろん、地域の人と親しくなって、ある程度の信用を得た後でだが。
地主さんが、「好きに使っていいよ。草刈りしてくれるだけで、こっちは助かるから」というのが、現在の多くの田舎の実態だから、田んぼや畑を借りることはおそらく簡単だ。
でも、農地は基本的に農家しか使用できないというルール(農地法など)があるので、役所の農業委員会を通してしっかりした貸借契約を結ぶことが正しい。
一方で現実的には、貸す側も借りる側も「契約」に縛られるのがまだ不安だから、とりあえず口約束で貸借するというケースが多いだろう。
地域によっては、都市部の「市民農園」のような貸し出し農園やクラインガルテンもあるかも知れない。
また、農業委員会を通して農地を借りるということは「農家」になるということが大前提で、地域によって面積の違いはあるが最低限でも数十㌃の土地を農地をして管理して「農業」を営むことになる。
それを望む人は大いに頑張って欲しいが、「いやいや、そんなつもりでは・・・」という人は、とりあえず上記のルールを頭に入れて行動して頂きたい。
しかし、過疎高齢化、農地の原野化が深刻な状況の中、あまり目くじらを立てる人はいないだろう。
その辺は、あなたの人柄や頑張りに期待したい。

農地のことで一つ付け加えておく。
「獣害」のことだ。
近年、中山間地の農地の獣害は深刻だ。
イノシシ、シカ、カモシカ、サル、ハクビシン、が夜な夜な、あるいは昼間から堂々と、大切な作物を取ったり、田畑を荒らして困っている。
また、これらの動物たちが連れてくるムシ(ダニ、ヒルなど)も問題になっている。
一応、頭の片隅にでも入れておいて頂きたい。

離島の場合

わが国には400を超える有人離島があるというのだから、その状況はそれぞれかなり違うだろうが、共通することとして当然ながら一番覚悟すべきは「交通の不便」が真っ先に挙げられるだろう。
台風などで時化(しけ)になれば、数日間は島外とのアシ(船や飛行機)はストップし、食糧や物資の補給は途絶える。
場合によっては、電気、水道、通信といったライフラインも被害に遭うことが多い。
もしあなたが「島」に憧れるのだったら、先ずそこのところを頭に入れて頂きたい。
そして、上記の「中山間地」との違いとして、もちろん島によって違うだろうが、多くの島は土地が限られているので、移住者に提供できる住宅や農地は少ない。
でも、それらのハンディを凌駕した「島」の魅力があるはずだ。

ひとつだけそんな例を紹介したい。
島根県隠岐郡の海士町
全国で一番、外部に対してオープンな島。
地域とIターンの協力がうまくいっている島。
もしあなたが、単にのんびり「島暮らし」を望んでいるのではなく、「地域と一緒に」とか「地域のために」とか考えているのならぜひチェックしてもらいたい。
海士町公式ホームページ

ついでに、こんな物件を近くの隠岐の島で見つけた。
家賃一万円、ご覧のようなきれいな家でなんと二階建て!
(田舎ならではの都会では考えられないような格安物件があるという例)
隠岐の島借家の写真

隠岐の島借家

隠岐の島借家

「家賃一万円 二階建て」

「田舎暮らし」あなたの課題

よく、田舎に移住して「近所付き合いが大変」という話が出る。
それは確かで、間違いない。
目も合わせずに、言葉も交わさずにすれ違う・・・なんてことはあり得ない。
微笑みながら会釈し、あいさつの一言は最低限で、さらに状況によっては天気のことやら近況報告やらをするのが当然だろう。
もし、あなたがそれが嫌なら、田舎には来ないで欲しい。
こんな話を聞いたことがある。
沖縄の或る離島(久米島と与那国島だった)出身者同士の会話だった。
「那覇の街を歩いていて、目も合わさずに多くの人がどんどん通り過ぎていくのが耐えられなかった。」
「その場で崩れ落ちそうになるくらい、それが異常に感じられた」
・・・もしあなたが都会で育った人なら、そんな感覚は理解できないかも知れない。
私は数十年の田舎暮らしで(出身は都会だったが)、その感覚にむしろなじんでいる。
そして、その方が心地よいし、うれしく楽しい。
あなたがそういう志向であればと願う。

また、これも近所付き合いと言えると思うが、「共同作業」というのが結構ある。
道とか神社とか水路の掃除や草刈りが多い。
同様に神社や共同墓地などの維持管理などのための「募金」もある。
あなたが現在お住いの「都会」ではどうなのかはわからないが、業者やシルバー財団のようなところが税金などでやってくれている部分かも知れない。
この「共同作業」や「募金」も、当然なので喜んで・・・と、私は思うのだが、あなたはどうだろうか?

また、地域行事への参加も多いかもしれない。
移住者には当初は冠婚葬祭のお付き合いは少ないかもしれないが、次第に増えるだろう。
また、「運動会」など、都会では見学者であったものが、田舎では参加するものになるケースも多い。
これもできれば楽しんでもらいたい。

都会で暮らすデメリットは?

都会生活は、便利で華やかである一方、デメリットやリスクも気になる昨今となった。
ここで一つ挙げておきたいのは、近年増加している大きな災害の際のことだ。
いざという時に備え、食糧や飲料水の備蓄や避難場所の確認などなど、が以前では考えられないほど呼びかけられるようになっている。
確かに、毎年、そのような甚大な被害を出す災害が起きている。
そして、都会生活の脆弱さが浮き彫りにされている。

あなたは、いざという時、自分自身や家族を守る自信があるだろうか?

例えば、農家だから当然だが、私は米や野菜の「備蓄」が家の内外(納屋や畑)にかなりある。
そしてこれは、田舎に移住して家庭菜園プラスアルファでも、多少は可能なことだ。
また、自分で上手に作ることができなくても、周りの人に聞けば教えてくれるだろうし、場合によっては結構「もらう」ことも多いだろう。

最近の社会情勢を見ると、その様な意味でのメリットが「田舎暮らし」にはあるように感じる。

「田舎」に飛び込む前に

さて、「田舎暮らし」についていろいろと書いてきたが、それにしてもいきなり飛び込むわけには行かないだろうし、十分な助走期間はぜひとも取っていただきたい。
そこで、そのクッションとなるような事例をいくつかご紹介してこの記事を終えたい。

先ず、どっぷり体験できるコース
「地域おこし協力隊」
地域おこし協力隊とは
「都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。」

あちこちの農家でファームステイができる
WWOOF
WWOOF(ウーフ)とは
「主に有機農家であるホストのところで短期間住み込みで働くネットワークで、北海道から沖縄の離島まで全国に400か所以上のホスト農家があり、また、世界中にそのネットワークが広がっています。ホストとウーファー(参加者)はお金のやり取りはしません。「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」を交換します。ホストとウーファーは「家族のような友達同士」、農とオーガニックライフの新しい世界へ足を運んでみましょう!」

情報サイトとしては
「全国移住ナビ」
「LO活」(ローカル就活)
「ふるさとワーホリキャラバン」

お子さんが学齢期なら、先ず「山村留学」させてみるのも
「全国山村留学協会」

今、社会が、世界が、大きく変わろうとしている。

「田舎の力」と「ネットの力」を活用して、次の世界を切り拓いていくことを祈っています。 合掌

プロフィール


与久呂(ヨクロ)農園は清流長良川の源流地、岐阜県郡上市の山間にある、無肥料自然栽培で米と野菜を作っている農家です。もうすぐ還暦の私ですが、幼い子どもを育てています。そんな日々の農業のこと、豊かな自然の中での子育てのこと、背景にある今の社会に対する思いや考え、そして農と食のネットワーク作りについて発信していきます。
(与久呂はわが家荒井家の屋号です。)
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