「草」の効用、「虫」の効用 畑で考える

新規記事
草と虫の役割

雑草の効用 害虫の効用

私は自然栽培とか自然農法と言われる農法を取り入れています。
除草剤などの農薬は使わず、また堆肥などの肥料も使いません。
どうやって栽培するのかというと、おもにその雑草と言われる「草」たちの力を借ります。
具体的にどうやって力を借りるの・・・というお話は別の機会に詳しく書くとして、「うまく力をお借りする」という状況をオーバーして、作物も私も負けそうになることしばしばです。
その「雑草」は何のために生えているのか?

実は、土を豊かにするため、というか大地を蘇生させるため、に生えているようです。
(なので、雑草とは書かず「草」と書くことにします)

作物につく「害虫」。
これも、どうも、その作物(植物)のため、それを食べる人間(動物)のため、そして大地や環境のため、に存在しているようなのです。
(なので、害虫とは書かず「虫」と書くことにします)

土のステージ
これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち [ 竹内孝功 ]より
この表にあるように、とてもやせたステージ0の「荒地」にはススキなどが生え、繁茂します。
すると、このススキの葉茎や根がやがて土に還り、土を肥やします。
チガヤは地下茎がものすごく、地下にぎっしりと太さ数ミリのそれが張り巡らされますが、おかげで固くコンクリートのようになっていた土の中に空気や水が入れるようになり、土が生き返ります。
そうして、次のステージ1に上がります。
スギナや白クローバーがバトンを受け取って、さらに土地を蘇生させ、やがて次のステージ2のシロザやスベリヒユが生えるようになります。
そうして、ステージ3のオオイヌノフグリやハコベが多く生えるようになったら、その土地はホクホクと柔らかく粒が少し荒い(団粒構造)の土になっており、いろんな野菜が無肥料でも育つようになっています。

ところで、うちの畑でいま一番頑張っている「草」はというと、メヒシバさんです。
381_ext_01_0_L
「メヒシバ」
茎は針金のように固く強く、イネ科なので根はたくさんのヒゲ根がはびこってとても抜けにくく、ものすごい量の種をこぼします。
ちなみにその役割やステージはというと、
「やせた土に栄養素を送り込むために生えてきます。まだ大きな草が生えるほど豊かではない時に生えるので、土はやせていると判断します」(岡本よりたか著「無肥料栽培を実現する本」 マガジンランド より
ん~~うちの畑の土は、まだまだのようですね。

 

次に「ムシ」の役割は、赤峰勝人氏の名著「ニンジンから宇宙へ」からかいつまんで書きます。

例えばハクサイに蛾の幼虫がついて食い荒しているとき、そのハクサイには肥料として与えた窒素分が猛毒の亜硝酸塩になっていて、ムシはその有毒部分を食べているということがわかりました。
その幼虫は有毒物質を分解して、無毒化した優秀な肥料となる糞を排出します。
そして、そのムシは成虫にまで育つことができず死んでしまいます。
つまり、ムシは命を懸けて、野菜(植物)を食べる人や動物を毒から守り、大地を汚染から守っているのです。
(亜硝酸塩を多く摂ると血液に異常を来たして酸欠状態となります。乳牛の死亡事故や人間の赤ん坊の「ブルーベビー症候群」が報告されています)
そして、他の「虫」たちも色々なそれぞれの役割を果たしていることが、わかって来ています。

さて、畑に立ち、「草」が生い茂るのを前にして、悩みます。

「草」が生えるままに、思う存分にさせてあげた方が良いのじゃないか・・・
その方が、大地にとって、地球にとって良いのだろうから・・・

じゃあ、農業はどうする?
経済は、生活は、どうする?

みんなブレサリアンになって、飯も食わずにのんびり好きなことをして過ごせないかな?
・・・過ごせないなぁ・・・。

ということで、「草」にすこし遠慮してもらうように、作業をします。

さて、ここからが本題です。 ヒトは?

草には、虫には、その存在には効用があり、役割があり、それを立派に果たしているようです。

では、人間は、この大地にとって、地球にとってどんな役割、あるいは「効用」があるでしょうか?

どうも、他の生物にも、環境にも、地球にも、“悪さ”しかしていないように見えるけど・・・

実はこの「効用」という言葉は、風邪の効用 (ちくま文庫) [ 野口晴哉 ]という本のタイトルから頂いています。
整体で有名な 野口晴哉(はるちか)さんの本ですが、風邪をひくことがむしろ体にとって良いのだということ(デトックスのような)が説明されています。
また、「癌」も同様に体内の悪いものを集めて排毒するための役割がある、という人もいます。(真偽は定かではありませんが)
ある医師と病気について話している際に、病気はメッセージであり、その人にとって必要なことをしているのだと聞いたことがありました。
熱を出して体内の菌をやっつけ、下痢や咳や痰を通して体内の悪いものを出し、胃腸の調子が悪くなることで飲食を改めるようさせ、体がだるくして少し休むようにさせ、、、、というように効用やメッセージがあると言うのです。

また、病気だけでなく、事故、困難なこと、不運と思われるようなことも、同様だと言う人もいます。
その人が本来の道を歩くため、成長するため、幸せになるために。

だから、人間という存在も、役立ち、「効用」、大事な意味、がきっとあるのだと思っています。

地球のこれから と 私たちの仕事

最近、近くの国道で路肩の作業のため、若干渋滞していることがあります。
何の作業かというと、沿道の山から道に侵入してくるクズ(葛)の除去をしていました。

鉄道に乗っていても、線路わきのフェンスや側道がクズに覆われている景色をよく見かけます。
こんな感じです。
rkusa_83kuzu

SF小説「地球の長い午後」では、膨張した太陽の影響(温暖化)で人間や動物よりも植物が優位になった地球が描かれていました。
クズが地表を占拠する景色を見るたびに、その小説のことを思い出します。

 

過疎化、公共事業の縮小などの影響か、植物が野生生物が人間の世界に押し寄せてきています。
その波に乗る形で、イノシシやシカやサル、そしてダニやヒルがすぐそばに行動範囲を伸ばして来ました。

一方で、温暖化と寒冷化(?)、ゲリラ豪雨、台風の巨大化、pm2.5、マイクロプラスチック、放射能、砂漠化、、、
果たしてこの地球はどうなっていくのか?、私たちの未来は?

いま、自分の生き方や仕事を考えるときに、「自分の役割(効用)は何だ?」と真剣に考えることは、とても大切だろう。
きっとそれが成功する(生かされる・活かされる)ポイントになるだろう。

私は何のために存在しているのか?
私の役割は何だろう?

繁茂する「草」を前に、あらためて自問していた。

タイトルとURLをコピーしました